食と農のこと食と農のこと

笑顔の実り。 vol.113(令和6年3・4月号)
なりとみ りみこさん|59歳
河南町神山地区 成冨 理美子さん

私にしか出せない味のイチゴを作りたい

「うまいもん農園」の成冨さんは、河南町で新規就農し、2021年からイチゴを作り始めて今年で3作目。イチゴを中心に、あすかてくるで羽曳野店に出荷されている出荷者さんです。今回は、新規就農に至った経緯やこれからやっていきたい取り組みについてお話を伺いました。

新規就農したきっかけは?

前職は製薬会社に勤務していましたが、一念発起し、起業しようと早期退職したところでコロナ禍になってしまいました。「密」が許されない時代、やりたいと思っていた仕事は難しいと感じ断念し、何をしようかと模索していた時、『新規就農「はじめの一歩」村』※ が目に留まりその存在を知りました。初めは興味本位で申込みをしたところがスタートでした。 興味はあったものの、プランターでミニトマトすら作ったことが無い、まったくの農業初心者であった私にとって、「はじめの一歩」村での経験はすべてが初めてのことでした。農業のことを一から学んでいき、トラクターの運転、クワの使い方、夏野菜を栽培しマルシェで販売…など様々な農産物に触れていく中で、先輩農家さんのイチゴのハウスを見学させてもらった際にイチゴの栽培に興味を持ちました。「やってみたい!高設栽培なら私にもできるかも。」と心惹かれるものがあり、「はじめの一歩」村を卒業した後は『いちごアカデミー』※に通い始めました。

イチゴの栽培について

ハウスを建てた時、業者さんにイチゴの高設栽培の高設ベンチの作り方を教えてもらい、息子、娘、ご近所さんに助けられながら手作りしました。土木作業どころかDIYすらやったことがなかった私はかなり苦戦しましたが、年に1度しかないイチゴの定植期を逃したくなくて必死に設置しました。「はじめの一歩」村・「いちごアカデミー」に参加したからこそ繋がれた地元農家さんのコミュニティがあります。今でも先輩農家さんが指導に来てくれて、本当に周りの方に助けられていると感じます。いろんな先輩農家さんのお話をたくさん聞いて、自分のイチゴに合った栽培方法を模索中です。 今期は恋みのり、紅ほっぺ、ほしうららの3品種を栽培しています。まだ品種を絞りかねているのですが、ハウスが2棟なので最終的には2品種に絞ってやっていきたいと思っています。

農家になって大変だったことは?

イチゴ農家の朝は早く、収穫時期は、朝4時にハウスに来ています。早朝の収穫作業、イチゴのパック詰め、「あすかてくるで」への出荷作業、自分の直売所での販売、イチゴの栽培管理など、一人でやらないといけない作業は多岐にわたります。1年目は、ハウスの建設や重油ストーブの代わりに薪ストーブを導入したりと、分からないことだらけで悪戦苦闘の日々でした。また就農してからこれまで1日としてトラブルが起きない日は無く て、農業とは無縁の生活を過ごしてきた私が、乗り越えて来られたのは、「思い立ったらすぐ行動して、トコトンやる」という私の信条があったからだと思います。 イチゴ農家を始めて3年間、イチゴ漬けの毎日。農業をする前の自分と今の自分では、180度人生観が全く変わってしまったようですが、イチゴとかかわる毎日は思っていた以上に楽しいです。

今後の目標について

農家になって3年目、今はまだうまくいっていない部分もたくさんあります。その課題を少しずつ解決していき、数年後は経営をしっかりと安定させたいです。「美味しいイチゴ」というのは何よりも一番の付加価値だと思うので、イチゴの味にこだわり、「私にしか出せない味のイチゴ」を作っていきたいです。 新しい取り組みとしては、就農してからずっと「あすかてくるで」に出荷していましたが、昨年末からは圃場の近くでイチゴ直売所もやり始めました。私はSNSはやっていなかったのですが、娘がインスタでの宣伝などをやってくれて助かっています。これからは、宣伝にも力を入れていきたいです。せっかく河南町で農業をさせてもらっているので、地域に貢献したい気持ちもあります。今後何かイベントをするにしても、経営をしっかりさせないとやりたいことが出来ないと思います。そのためにも、少しずつでも増収・増益に繋げていきたいです。
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