食と農のこと食と農のこと

笑顔の実り。 vol.110(令和5年7・8月号)
おさ たつやさん|47歳
太子町春日地区 長 達也さん

人との出会いを楽しみながら農業を


人との出会いを楽しみながら農業をしていきたい

「ロマンティック農園」の長さんは、今年で新規就農5年目。太子町で、ブドウとシイタケを中心に栽培されています。また、農産物の加工販売や若手農家で企画した農業イベントなども行っており、幅広く活動されています。 今回はそんな長さんに新規就農に至った経緯やこれからの取り組みについてお話を伺いました。

新規就農したきっかけは?

就農する前は会社員として働いており、農業に関わるのは休日に妻の実家の畑を手伝う程度でした。義父の体調が悪くなってしまって、後継ぎもいないということで、義父母が長年続けてきた農業を終わらせるのは「もったいない」と感じ、「自分が継ごう」と思ったことがきっかけでした。

新規就農して大変だったことは?

就農してすぐの頃は右も左もわからない状態で、何から手を付けたらいいかと悩みました。農業の知識も技術もゼロからのスタートだったので、まずはJAの農業塾を受講したり、地域の先輩から教えてもらったりして農業の基礎知識を身に着けました。また、農業者の先輩との繋がりが欲しくて、JA大阪南青壮年部にも入りました。初心者の私をたくさん助けて下さった地域や青壮年部の先輩方には感謝の気持ちでいっぱいです。 今は、義父母から継いだ圃場を私一人で切り盛りしているので農繁期に手が回らなくなることが一番大変です。体力の限界もありますし、ストレスや疲労がたまっていくと収入にも影響していくので、休息を入れながらいかに自分1人で効率よく作業を進めていくのかがカギになってきます。

農産物の加工について

元々義父がブドウ、義母がシイタケをメインで栽培していたのでそれを引き継いだ形で、ブドウとシイタケを中心に栽培しています。ブドウの旬は6月~9月頃、シイタケの旬は、11月~3月頃となっており旬が真逆なので、作業を分散させることが出来ています。 ブドウとシイタケは加工しやすい農産物であることや、畑の手伝いをしている頃から出荷できないものを何とかできないかと思っていたので、就農当初から加工品作りを計画していました。ちょうど知り合いの農家さんからも規格外などB品をどうするか悩んでいる声も聞こえており、2年前から「ロマンティック生産」という加工場を立ち上げ、加工品作りに取り組んでいます。 うちで栽培している農産物をはじめ、知り合いの農家さんからB品を買い取って、うちの加工所でジャムや乾燥シイタケ等の加工品にして販売しています。過去に飲食店の厨房で働いていた経験が加工品作りに活きていると思います。

農業への想い

「ロマンティック農園」は、皆さんの食卓をうちの農産物でロマンティックにしたいという想いから付けました。「ロマンティック農園」で農産物の生産、「ロマンティック生産」で農産物の加工・販売、そして農家が企画する農業イベントの三本柱で活動していきたいと思っています。自分もお客さんも楽しくなるような農産物・加工品・イベントを作っていきたいです。 例えば、シイタケ栽培では間引きもしっかりおこない、スーパーで見ないような大振りで肉厚なものになるようこだわっています。

今後の目標について

昨年、南河内で果物を作っている若手農家3人との出会いがあり、イチジク農家、イチゴ農家、ブルーベリー農家、ブドウ農家の4人組で様々な取り組みを企画&挑戦中です。仲間と話していると、クラウドファンディングに取り組んでいたり、イベントにも勢力的に参加したりとみんな常に新しいことを追いかけているので、とても刺激になります。 その農家4人組で、不定期イベントとしてそれぞれの野菜や加工品を背負って登山し、山頂でマルシェを開く「山頂マルシェ」を開催しています。はじめは、「山頂でマルシェ開いて誰が来るねん!」と思いながらも、自分たちが楽しめたらいいや!という気持ちで開催しましたが、当日の山頂には、「SNSを見て来ました!」「山頂マルシェのために来ました!」と沢山の人が、山を登って来てくれました。本当に嬉しかったです。 また、ロマンティック生産として、太子町の西方院さんのシェアカフェで、農家が作った農産物を農家が料理して農家が接客することをコンセプトにしたイベントを開催予定です。普通のカフェでは聞けない生産者からの食材の活かし方や地場産農産物の紹介など、普段出会うことのない生産者との交流で、食に興味がある人はより「食」を楽しむことができると思います。農家の自分たちにしか作れない、そんな料理が食べられるのが「農家カフェ」の魅力です。 農家と聞くとしんどいイメージが強いと思いますが、農家のおじさんがこんなに楽しんでイベントやっているんや!と思ってもらい、農業のイメージが変わればいいなと思っています。これからも人との出会いを楽しみながら農業をしていきたいです。
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