食と農のこと食と農のこと

笑顔の実り。 vol.84(2021年2月号)
しばもと たかふみさん|69歳
富田林市 寺池台地区 芝本 隆文さん

失敗を恐れずチャレンジすることが大切

農業を始めたきっかけは?

父が専業農家だったので、両親が早朝に収穫したトマトを磨き上げるのが、夏休みの子供の日課でした。この作業は高校くらいまでやっていたので、野球部の朝練に行けないこともありました。私が45歳ぐらいの頃に父が関節リウマチにかかり、トラクターが使えなくなりました。そこで父の代わりに耕起作業を行うようになったことが農業を始めたきっかけです。しかし当時は府立高校の教員で野球部長だったので、耕起作業の時間がなかなか取れませんでした。野球部は対外試合の連続で、休日は練習試合が入り、休みがありません。朝4時にトラクターに乗って田植えの準備をしたこともありました。働き盛りの中、突然の出来事でしたがいつかはやらないといけないと思っていたので、嫌だとは思いませんでした。細かい農作業は母に任せていたので、父の看護と農作業を両立してくれていた母には頭が上がりません。  農業を本格的に始めたのは退職後、父が残してくれた農地で好きなものをつくる日々は自由にやれてとても楽しいです。

農業を行う上でのこだわりは?

孫ができ、口に入るものは安全な野菜を食べさせたいと思ったことから出来るだけ有機肥料の使用を心掛けています。その中で自分にもできそうな農法はどんどん取り入れるようにしています。今は籾殻や米ぬかを活用した土づくりに力を入れています。籾殻は土の中で空間ができ柔らかくなるうえ、水はけがよくなり、化学肥料を使わないで栽培出来るので気に入っています。その他には、自然薯のパイプ栽培や黒ニンニク、トマトの樹上完熟など行っています。  教師時代から生徒へ「最初から成功しようと思わないで、失敗を恐れずに何にでもチャレンジしてみなさい。」とずっと言い続けてきたので自分自身もチャレンジ精神を大事にしています。  知り合いの農家に教えてもらった事、TVや雑誌で目に付いた事、自分が面白そうと思った農法はとことん調べて、チャレンジしています。以前、アイガモ農法にチャレンジしたこともありました。しかしアイガモを15、6匹買ってきて3日後にハウスから盗まれ一匹も残りませんでした。諦めきれず、また同じだけアイガモを購入し田んぼに放っていたところ、お昼を食べに行った少しの時間の間で一匹残らず盗まれていました。3度目の正直でまたアイガモを購入。今度は盗まれませんでしたが、イタチ・カラスに襲われて全滅。一時落ち込みもしましたが、アイガモはこの地区に向いていなかっただけと思い、「さあ次だ!!」と前向きに捉えました。

農業に対する思いをお聞かせください。

現在『あすかてくるで』への出荷と自宅前の無人販売をしています。以前は作りすぎた分は人にあげていましたが、お客さんから「自宅前で売ってほしい!」という声を頂きそこから無人販売をスタートしました。自宅前では少しの販売にもかかわらず、遠くからお買い求めに来られる方もいらっしゃいます。特にこだわって作っている樹上完熟トマトはとても人気で好評をいただいており、完熟するまでじっくり樹上で育て、栄養をたっぷり蓄えた状態で収穫しています。お客さんからは「スーパーのトマトとは全然違う」と言っていただくこともあって本当に嬉しいです。即完売してしまうこともあり、生産量を増やせないかと考えています。

これからの目標をお問かせください

 美味しい野菜を、家族だけでなく多くの人に食べてもらいたいです。管内に農産物直売所『あすかてくるで』ができてから伏山実行水利組合のメンバーは生産意欲が高まっています。お互いに情報交換や農業の話をすることで仲が深まり切磋琢磨できています。もっと出荷者や農業に携わる人が増えることで、地域の方々との更なる深い繋がりが増えることを期待しています。
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