笑顔の実り。 vol.81(2020年11月号)
きた みきおさん|70歳
富田林市甲田 北 幹雄さん
自然を通して作物と人を育てる
農業を始めたきっかけについて教えてください
祖父が専業農家、父は兼業農家で、子供の頃から農繁期は親の手伝いをしていました。自ら進んでやっていたわけではありませんが、「ご先祖様から預かった土地、長男として大事にしないと…!」という思いは昔から持っていました。
定年まではサラリーマンをしていたので農業を本格的に始めたのは定年退職してからです。
妻がJAの農業塾に興味を持ち夫婦で参加したことをきっかけに4年間休耕地になっていた畑を2週間かけて耕して野菜作りを始めました。初めて作ったのは冬野菜で、母に教えてもらいながら試行錯誤の毎日でした。いざ自分でやり始めると「農業はこれほど時間も労力もかかるのか」ということを知り驚きました。今でも冬野菜は妻が担当して育てています。
農業についてのこだわりはありますか?
体にも自然にも優しいものが良いと思っているので、自分が食べる分も出荷分も同じように出来るだけ農薬を使わないで作るようにこだわっています。
農業を始めたころは手探りで、父から引き継いだ一般的な農法をしていましたが、数年前からは農薬をあまり使用しないようにしてきました。
そして今年、農薬をより使わないで何とかできないものかと調べるうちに「田車」へ辿り着きました。
すぐに取り寄せて、今年は田車のみで草引きを行い農薬は使いませんでした。
田車を使う前は自分たちの手作業で時間をかけて草引きをしていましたが、終わりが見えない大変な仕事でした。しかし今年初めてやってみた田車では1反30分ほどで終わり、土の中に草をかき混ぜて埋め込んでいくため土がよく混ざり、新しい酸素を送り込むことが出来るので良い米が出来ました。今時田車は珍しいので近所の方が見に来られたりしていました。
農業に対する思いをお聞かせください
私は木登り探検隊やボーイスカウトで「子供たちに自然の良さや大切さを感じてもらう」ことを目的に自然教育をしています。
ボーイスカウトは息子が小学生の頃にリーダーとして参加し、それ以来37年間続けています。そこでは毎年子供たちに農業に触れてもらう機会として、じゃがいもの植え付け・収穫体験、もち米の田植え・稲刈り体験を行い、収穫までの手入れも子供たちにやってもらいます。そして最後に収穫祭として餅つき大会を行い自分たちで作ったものをみんなで食べる喜びを感じてほしいと思っています。
また、孫と一緒にジャガイモ掘りやビワの収穫をしたり、田んぼで遊んだりもしています。畑の脇で軽トラの荷台に腰掛け、妻が作ったサンドイッチを家族で食べる瞬間は本当に幸せですね。
これらの経験から孫や地域の子供たちに「田んぼに行く」ということが「楽しいこと」だと思ってもらいたいです。そして将来少しでも農業に興味を持ってくれたら嬉しいですね。
これからの目標を教えてください
農業に対するこれからの目標は、夫婦二人で元気に農業を続けていくこと!楽しい農業ができるように健康に生きていくことです。また、この地域の農地を残していきたいです。次の世代が少しでも農業に興味を持ってくれるためにも自然の中で遊びを通じた自然教育が大切だと思うのでこれからも元気に活動していきます。